(本)エコロジカル・フットプリントの活用 ~地球1コ分の暮らしへ~ / ニッキー・チェンバース、クレイグ・シモンズ、マティース・ワケナゲル[著] 五頭美知[訳] 和田喜彦、岸基史[解説] (合同出版)
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エコロジカル・フットプリントの活用―地球1コ分の暮らしへ 著者:ニッキー チェンバース,マティース ワケナゲル,クレイグ シモンズ |
本文中より
「基本的にエコロジカル・フットプリントは、熱力学や生態学の法則に沿って、人間の及ぼす環境負荷の合計値を出す簡単な計算ツールである。エコロジカル・フットプリントは生物量をどれだけ収奪しているかを把握するにとどまらず、廃棄物の吸収や水利用といった生態系の恩恵も加味している。フットプリント分析は人間による自然の利用が生物圏の再生能力に影響を与える場合に、その利用状況を把握しようというものである。そして、こうした生態系への影響を面積で表す。すなわち、「一般的な技術を用いて、ある特定の人口集団が消費するあらゆる資源を生産し、かつ、彼らが輩出する廃棄物を吸収するためにどれくらいの自然が使われるか」を測定する。その結果を「世界平均の生産力を有する生物生産力のある土地面積」という共通の単位で示す。(以下略)」
「バクテリアであろうとクジラであろうと人間であろうと、どの生命体もすべて、地球に負荷を与えている。私たちは皆、原料を得る際にも廃棄物を吸収してもらう際にも、自然のもたらす産物やサービスに依存している。私たちが環境にどれだけの負荷を与えているかは、現在の消費パターンを維持するために利用したり、「収奪」したりする自然の「量」に関連している。鍵となる質問は、「この負荷が、自然が持続可能な形で支えられる範囲を越えているか」である。地球の生態系が持つ「預金口座」に蓄えられている自然資源の量は、ごくごく限られている。もしここにある「資本」を消耗させ続けたなら、ゆくゆくは、引き出して使える財産がまったくなくなってしまう。そうならないように、私たちは、地球上で混沌と生きる多様な生き物たちとこの恵を共有しながら、自然資本の「利息」の範囲内で生きる方法を見つけなければならない。(以下略)」
・・・・引用が長くなりましたが、『自然資本の「利息」の範囲内』という表現には「目から鱗が落ちる」思いでした。今のままの生活ではまさに「元本」を食潰していることになるのです!『地球一個分のくらし』とは、アボリジニなどの先人は「7代先までを考えた生活」といったようですが、今の我々は金銭で「時間」「距離」「空間」なんでも得られる錯覚に陥っているような気がします。
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