(CD) J・Sバッハ /リュート組曲・チェロ組曲(リュート版) /佐藤豊彦(バロック・リュート)
J・Sバッハ(1685~1750)
①リュート組曲 ト短調 BMV995
②「リュート組曲 変ホ長調 」/編曲:佐藤豊彦
~チェロ組曲第1番 ト短調 BMV1007より~
佐藤豊彦 (バロック・リュート)
1980年12月:オランダ、ハーレムにて録音(ステレオ録音)
PHILIPS PHCP-3961 (廃盤)
リュートの曲をよくよく聴くという機会もあまりありませんが、カップリングのチェロ組曲につられて聴いてみました。打鍵するピアノのメカニズムがまだ未熟だった当時、直接人の指が弦を弾く点でチェンバロなどよりも、繊細なニュアンスが表現できる点で、リュートはかなりメジャーな楽器だったのではないかと思います(憶測ですが)。この楽器の魅力に触れるには良い演奏ですが、チェロ組曲のほうはすでに出来上がってしまったイメージと掛け離れてしまっているので、人により好き好きの出るアレンジだと思います。
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コメント
どうーもです。古楽のことを書くと出てきます。
バッハの時代は、既にリュートは衰退期で、
逆にチェンバロは黄金期でした。
このリュートソナタもやけにリュートでは演奏困難で、
未だに原曲は別の楽器のものだったのではないかと言う説が
絶えません。
(多分、この辺り解説に詳しいと思いますが…)
しかしこの時期、リュートの最後の巨匠にして
最大級のスタープレーヤー、レオポルド・ヴァイスがいて
バッハとの交友も深かったようですので、
彼だったらどんな楽譜でも弾けたのかもしれません。
ガンバもリコーダーも、この時期が最後の輝きを
放った楽器です。
さらば、バロック…って感じですな。
投稿: ぼえ | 2007年6月 4日 (月) 23:56
参考になります♪
このCDもジャケットの写真には「糸倉が2段に分かれたテオルボ的なバロックリュート」が使用楽器として写っています。1973年の作のようですが、こういった技術が当時すでに完成されていたとすると、当時まだ不完全なピアノにくらべて、リュートやチェンバロに期待されていたものの大きさが伺えますね。今まではリュートに対して素朴なイメージしかありませんでしたが、このCDで印象が変わりました。
投稿: ろば君 | 2007年6月 5日 (火) 04:34
楽器に対する嗜好性の違いが、現代とバロック期は違うような気がしますね。
この時期誕生したばかりのピアノ(フォルテ)は、現代黄金期にあるといえますが、押しなべて黒くて、グランドかアップライトで、鍵盤も一様です。
バロック期の楽器は、リュート・チェンバロに関わらず、徹底的に装飾を施し、奏者やシュチュエーションに合わせてサイズや音域を変えてきます。
例えばヴァイオリンなら、ヴィオリーノ・ピッコロ、ヴィオア・ポンポーザ、ヴィオロンチェロ・ダ・スパッラ…と、わけわかんないものが一杯出てきます。
現代では、究極=シンプル、スマート、統一性 なものが、バロック期では、=複雑、雑多、煩雑 であったような気がするんですが…
投稿: ぼえ | 2007年6月 5日 (火) 23:48
多様性や混沌という点では「バロック」はフォルクローレなどの「ラテン」にも通じますよね。アディオス!セニョール!って感じですね。当時、音楽は「見えないもの」とのコミュニケーションの手段として「神」や「生死観」に直結していたんだと思います。僕らが音楽の授業で聴かされた20世紀の「クラシック音楽」はどちらかというと「カルチャー」に近いような気がします。
このCDでも、とても「華やか」なバッハでしたよ。
個人的には「シンプル・スマート」な素朴なバッハも捨てがたいのですが・・・。
投稿: ろば君 | 2007年6月 6日 (水) 04:18
ちょっと話が難しくなるんですが、ルネッサンス時代にほぼ極限まで到達した(と私は思っている)音楽の構造を、一度崩壊させることによって起こった文化が「バロック(いびつな真珠、の意味)」だと考えるならば、神の領域にまで到達した音楽文化を、今一度人間の手元に引きずり戻したのがバロック文化だ、と言えなくないのでは?ルネッサンス時代に40声部(タリス)にも及ぶスイス時計のようなモテットにまで到達しておきながら、バロック初期では、旋律と通奏低音のわずか2声部の世界に逆戻りしてしまいます(カッチーニなど)。装飾はディミニエーションという、「音を詰め込むだけ詰め込む」といった、奏者のエゴのような装飾法が開発され、歌曲も、恋のの嫉妬や呪い、狂気のように以前ではあまり取り上げられることのなかったテキストが盛んに取り上げられるようになります。(ゆえに、バロック期にオペラが誕生したわけですが…)
まあ、この辺り、バロック後期のバッハの時代になると多分に形骸化してくる面はあると思いますが…。
ってな感じで、だらだら書いてしまいました。ごめんなさい。読み飛ばしてね。
バロックがラテン的な要素を持っていることは、大いに同感です。はい。
投稿: ぼえ | 2007年6月 7日 (木) 00:57
おっと、忘れてた。おまけ情報です。
2007.9.2(日) ナチュラルホルンの愉しみ~ベートーベンとモーツァルトのホルン作品
塚田聡(ナチュラル・ホルン)小倉貴久子(フォルテピアノ)
アクトシティ浜松音楽工房ホール 14:00開演 1500円
投稿: ぼえ | 2007年6月 7日 (木) 00:59
ぼえさん
ナチュラルホルンのコンサート、
情報有難うございます。
昨年、有田先生のトラヴェルソのレクチャー・コンサートをやった会場ですね。ユニークな催しですね。楽しみです。
投稿: ろば君 | 2007年6月 7日 (木) 05:36