« (本)ネットワーク・ビジネス 最強のリーダーになる人の法則/池松耕次(アチーブメント出版) 12月6日(水) | トップページ | (本)金持ちと父さんのビジネススクール/ロバート・キヨサキ+シャロン・レクター(マイクロマガジン社) 12月6日(水) »

(本)食民地~アメリカに餌付けされたニッポン/船瀬俊介(ゴマブックス) 12月6日(水)

食民地 アメリカに餌づけされたニッポン

例年のことですが、白菜・大根に引き続き、キャベツの需給調整も始まっているようです。食料の輸入が増える中で、ますます国内の食料自給率が下がっているようです。「豊作」という天の恵みも、外交とのバランスを考えれば仕方のないことなのでしょうが、何かが違うような気がする今日この頃、たくさんのヒントに富んだ一冊を読みました。

戦後のアメリカによる「対日小麦政策」は有名ですが、その内容はこの本ではじめて知りました。通称「PL480」~Pabric Law 480~は法案として、1954年のアメリカ第83議会で可決しており、日本の政府までが国策として便乗したアメリカの「余剰農産物処理法」です。いわゆる資本主義が世界の富のバランスを2極化している原因を垣間見ることができます。この法案が日本にどう影響したかと言うと・・・

①キッチンカー(小麦食品を含む)/171,096ドル/厚生省が協力
②①に必要なパンフレット等/41,750ドル/厚生省が協力
③全国向け宣伝キャンペーン/321,237ドル/農林省他が協力
④製パン技術者講習/113,210ドル/農林省他が協力
⑤専任職員の採用/32,480ドル
⑥生活改良普及員(小麦料理)の講習/62,349ドル/農林省が協力
⑦PR映画の製作・配給/92,000ドル/農林省が協力
⑧食生活展示会の開催/23,160ドル/農林省が協力
⑨小麦商品の改良と新製品の開発/58,164ドル/農林省が協力
⑩保健所にPR用展示物を設置/59,508ドル/厚生省他が協力
⑪学校給食の普及拡大/140,078ドル/文部省が協力

アメリカ側の初期投資は1,165,034ドルということです。この金額を安いと見るか高いと見るかは人それぞれだと思いますが、この活動がインフラとなって見事に日本は主食としての米食と菜食を捨て去ることになるのです。「てこ」として考えると、強力な支点となったこの施策が生んだアメリカの国益を考えるに、当時のアメリカの担当者の貢献度は計り知れません。血を流すことなく日本を「乗っ取って」いるわけですから。その後の日本での「ご飯は残してもおかずは残すな」と言う教育は、見事におかずのバリエーションを増やし、輸入食料を受け入れ続けた結果が、減反や需給調整というわけです。最近ニュースで、作物が産地廃棄されている映像が流れていますが、需給調整自体は今に始まったことではなく、今になって頻繁に取り沙汰されるのは、何かが変わりつつあるのでしょう。

|

« (本)ネットワーク・ビジネス 最強のリーダーになる人の法則/池松耕次(アチーブメント出版) 12月6日(水) | トップページ | (本)金持ちと父さんのビジネススクール/ロバート・キヨサキ+シャロン・レクター(マイクロマガジン社) 12月6日(水) »

コメント

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: (本)食民地~アメリカに餌付けされたニッポン/船瀬俊介(ゴマブックス) 12月6日(水):

» 資生堂採用・会社情報 [資生堂採用・会社情報]
資生堂 採用 会社 情報 [続きを読む]

受信: 2006年12月 8日 (金) 10:50

« (本)ネットワーク・ビジネス 最強のリーダーになる人の法則/池松耕次(アチーブメント出版) 12月6日(水) | トップページ | (本)金持ちと父さんのビジネススクール/ロバート・キヨサキ+シャロン・レクター(マイクロマガジン社) 12月6日(水) »